イライラして家族に当たってしまう…、やることが多すぎて全部が中途半端…。じつはこれ、脳が疲労して悲鳴を上げているサインなのかもしれません。

イライラ
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現代人のヘトヘト脳をマインドフルネスが救う!

「パソコンやスマートフォンなどの普及によって、現代人の脳への負担は想像以上です。そのうえ、仕事や家事に追われ、睡眠時間を削って寝る時間もバラバラ…。これでは脳がヘトヘトになってしまい、体も疲弊していく一方です」と、予防医学研究者の石川善樹先生。

 そんな脳の疲れの改善に効くと、注目されているのが「マインドフルネス」。「マインドフルネスとは、今ここで起きていることに最大限集中している脳の状態のこと。脳をムダに疲れさせる原因となる、思考や判断を停止させるのに有効なため、この状態を保つとストレスやイライラが減り、生活や仕事の質が向上すると期待されています」。近年、有名企業やテニスのジョコビッチ選手らも取り入れていると、話題になりました。

日常にもマインドフルネスを取り入れよう!

 脳が疲れない暮らしをおくるために、1日のなかでマインドフルネスになれる時間を増やすこと、睡眠や食事の時間を大切にすることが大切なのだとか。脳と体が疲れにくくするために、どのようなことを習慣にすればよいのか、石川さんが教えてくれました。

●食器洗いでマインドフルネス!集中して行うことで気分すっきり

 食器洗いは、マインドフルネスに最適な作業。「目で汚れの落ち具合を、手でヌメリや泡の落ち具合を確認するなど複数の感覚を使うので、食器洗いは没頭しやすい行動。余計なことを考えずに集中して行えば気分がすっきりします。ただし、音楽をかけながらだと意識が散漫になるのでNG」

●朝食を抜くのはNG。炭水化物とタンパク質をセットにしたメニューに

Breakfast

 体内時計を正しく機能させ、脳のパフォーマンスを向上させるには、朝食は不可欠。「ご飯と納豆、パンと目玉焼きなど、炭水化物やとタンパク質をセットにすることが大事。炭水化物が脳の覚醒とエネルギー補給を、タンパク質が血糖値の急上昇を抑え、腹もちや代謝をアップさせます」

●しっかり泡を立てて体を洗う

bath

 私たちの生活は、小さな行動が積み重なってでき上がっています。お風呂で体を洗うというなにげないこともそのひとつ。「入浴タイムには、さまざまな種類の感触や刺激を得ることができます。石けんで濃厚な泡を立てる過程、肌に触れて洗うときの感触など、丁寧に行ってじっくり感じることは、マインドフルネスに大きく影響します」

 ほかにも、日常のなかでできるマインドフルネスな習慣はたくさんあります。『

ESSE9月号話題の「マインドフルネス」に挑戦!

』では、瞑想のやり方とともに、さまざまな習慣を紹介しています。できそうなことから長く続ければ、脳の疲れが段違いに解消されますよ!

【石川善樹】

予防医学研究者。企業、組織の健康づくりを研究する「Campus for H」の共同創業者。東京大学医学部を経て、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。近著に『

疲れない脳をつくる生活習慣

』(プレジデント社)