最近、お手紙を書いていますか?メールやSNSが主流の今、手書きの手紙は、古くて新しいツールとして、その価値が見直されています。手紙の書き方コンサルタント・青木多香子さんが、身近な人に喜んでもらい、人間関係をよりよくするだけでなく、自分も幸せになる「手紙の書き方」を解説します。

正しく知ってる? 手紙のマナー

正しく知ってる? 手紙のマナー
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「よし、手紙を書こう!」と、意気込んではみたものの、「あれ、これでいいんだっけ!?」「これって失礼!?」と、マナーや作法が気になって進まないという声をよく聞きます。

 とくに、ちょっと礼儀に厳しい夫の親戚や、上司の奥様に書くときは、肩に力が入りがち。今回は、手紙ビギナーの方からよく聞く悩みにお答えします。

便せん選びの基準は?

 カジュアル、フォーマルの度合いを決めるのは、紙質、罫線・柄のあるなしがポイントです。

 コピー用紙のような薄手のツルっとした紙は、カジュアルな印象を与えます。どんな人にも好感度が高いのは、和紙や、コットンペーパー。和紙は、女性らしい柔らかさがあり上品な印象に、コットンペーパーも、あたたかな風合いで優しげな雰囲気。厚みがありコシのしっかりしたものを選べば、高級感も演出できます。

 また、一般的に、罫線・柄は、ないものがフォーマル。紙の色は、カラーより白、縦書きと横書きでは、縦書きの方が、よりフォーマルとされています。つまり、もっともフォーマルなものは、「白無地・罫線なし」であらたまった機会に適しています。反対に、「カラー・罫線・柄あり」のカジュアルな便せんは親しい間柄、日常使いがおすすめです。

 現在は、あらたまった手紙でも、「白無地・罫線(縦)あり」が使われることもありますが、基本は押さえておきたいもの。きちんとした印象を与えつつ、自分らしさを出すなら、ワンポイントのモチーフがおすすめです。

便せん選びはフォーマルさが変わる

 とくに、季節の花の柄や、ラッキーモチーフ(縁起物)の絵柄が入ったものは、目上の方に大変喜ばれます。お返事をいただいたり、次にお会いしたときに、そこから話が広がることもす。上品で洗練された印象を与える、エンボス加工が施された便せんも、大人の女性にぴったりです。

便せん1枚って、失礼?

 手紙をもらったら、文章が書かれた便せんと一緒に、白紙が1枚添えられていた経験、ありますよね。

「便せん1枚じゃ、失礼なの?」というご質問も、よくいただきます。

 便せん1枚で書き終えたときに、もう1枚添える理由は、諸説あります。昔は紙が高価だったので、相手への心遣いの形だという説、便せん1枚だけを封筒に入れて送るのは、そっけなく失礼、という説、また「本当はもっとたくさん書きたかった」という思いを伝えるためという説などさまざまです。とはいえ、基本的には、あまり気にする必要はありません。

 むしろ、お悔やみやお見舞い状では、悪いことが重なることを連想する、2枚目を気にされる方もいらっしゃいますので、1枚におさめることをおすすめします。

便せん1枚って、失礼?

一筆せんで2枚書いても大丈夫?

 もうひとつ、よくあるご質問は、「一筆せんで、2枚以上書いてもいいでしょうか?」というもの。もともと一筆せんは、「一筆書き送るもの」ではありますが、複数枚にまたがっても問題ありません。便せんよりも略式な印象はありますが、封筒とセットになったものを選べば、十分丁寧な印象の手紙になりえます。