ともに現役で働く60代のNさん夫妻。18年前に新築で購入した大規模マンションの一室を、昨年、将来を見据えてリノベーションしました。 でき上がったのは、終の棲家としてふたりで助け合いながら暮らせるよう、扉が少なく移動がしやすいフラットな住まい。ナラ材を使ったオリジナル家具を随所に取り入れたことで、暮らしやすく上質な空間に仕上がりました。

寝室とリビングの間には障子をはめ込んだ間仕切りのみ
60代になればライフスタイルに変化が。住まいにも変化が必要に
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ゆるく仕切るだけの回遊動線

開放的ながらほどよくこもれるリビング

リビングを囲むように立てた間仕切り壁のほかは、空間を仕切る壁や扉が一切ないN邸。大きな空間のなかで、LDKと寝室、ウォークインクローゼット、ワークスペースがゆるやかにつながっています。壁や扉をなくしたことで、ムダなスペースがなくなり、移動もスムーズ。

「万が一、どちらかに介護が必要になる場合も想定しました。お互いが快適で、もしも車イスの生活になっても動きやすい住まいにしたかったんです」(夫)

 

オリジナル家具が映える漆喰の壁

リノベーションの依頼先は、オーダー家具やリノベーションを手がける「STANDARD TRADE.」。リビングのチェストをはじめ、ほとんどの家具を同店で造作しました。木目が美しいチェストが置かれているのは、リビングの一等地。漆喰でしっとり仕上げた壁によく映えています。

 

車イスでも移動しやすい大判タイルの床

車イスになったときの動きやすさを考えて、床材には大判タイルを採用。さらに床暖房を設置しています。

 

ナラ材を使ったオリジナルのダイニングセット

ダイニングの丸テーブルとチェアもオリジナル。テーブルの天板はナラ材特有の模様「虎斑(とらふ)」が美しく、力強くも上品な仕上がりに。

「テーブルが丸いとどの位置に腰かけてもよく、使いやすいです」(妻)

 

【この住まいのデータ】

  • ▼家族構成
    60代夫婦

    ▼リノベを選んだ理由
    子どもがいないため、将来ふたりで助け合って長く暮らせるような住まいにしたかったから。

    ▼住宅の面積やコスト
    専有面積/75.93㎡