家計の管理、しっかりできていますか? 「きちんと把握しないと…」と思ってはいても、家計簿をつけるのは「面倒くさい」「なかなか続けられない」という人も多いでしょう。

そうしたなかで今、楽しく続けられて「書くだけでムダ使いが減る!」とSNSで話題沸騰中の家計簿があります。自分に合ったやり方でつければいいから三日坊主にならず、結果「お金の流れが見えて不安がなくなった!」という人が続出。それが、「づんの家計簿」です。

今はスマホ向けに様々な家計簿アプリがありますが、便利な分、記録するだけで満足してしまうこともあります。づんの家計簿は実際に手を動かして書き込むことでお金の流れが把握でき、収支への危機感が持てるほか、目標と進捗がはっきりします。また、ふせんやシール、スタンプで飾り、罫線も使いやすいように引けるなど、カスタマイズする楽しみも。作成者のづんさんに、この家計簿の特長と、基本のつけ方を伺いました。

づんさん
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支出を把握でき、ムダ使いがなくなり、長続きする家計簿

づんさんは鹿児島県出身、島根県在住の主婦で、4歳・3歳・もうすぐ1歳の3児の母。以前は家計簿に少し苦手意識があったそう。

「結婚を機に家計管理を任されたんですが、既製の家計簿ではストレスがたまってしまって。自分が楽しくつけられる家計簿を目標に、オリジナルの家計簿をつけ始めたんです。1~2年の試行錯誤の末、今の『づんの家計簿』が完成しました」

そうして完成したオリジナルの家計簿をインスタにアップしたところ「私もやりたい!」という人が続出。今では6万人以上のフォロワーに支持されるまでになりました。

●支出を上書きしていくから支出が把握できる

一般的な家計簿では、1日の支出を合計することはあっても、毎日の支出をたしていくことはしません。ですが、「づんの家計簿」は、使った金額を知るために、日々の支出を上書きしていきます。どれだけ使っているかを把握することで危機感をもち、しっかりコントロールしようという気持ちが生まれます。

●レコーディングダイエット的な効果でムダ使いが減る

とにかくレシートを丸写しするのもポイント。買ったものをすべて手書きで書き込んでいくため、「余計なものを買いたくない」という意識が働くようになります。また、なにを買ったかきちんと把握でき、品物の底値が自然と覚えられるようになるというメリットも。

●自分に合わせてカスタマイズできる

市販の家計簿やパソコン用のソフトでは、使わない項目があって余白だらけになったり、品目分けが自分の家計と合っていなくて迷ってしまったりと、ストレスがたまることも。「づんの家計簿」は、書く内容も記入量も自分でアレンジできるのが最大の魅力。続けながらどんどんカスタマイズして、自分が使いやすいオリジナルの家計簿がつくれます。

●お金の流れが見えて、漠然とした不安がなくなる

レシートをはったり、書いただけで満足してしまう家計簿とは違い、なににどうお金が使われているかが一目瞭然。書き続けることでお金の流れが把握できるようになるので、お金に対する漠然とした不安がなくなり、目標も立てやすくなります。

ルーズリーフと定規、ペンさえあれば始められる

「ルーズリーフと定規、ペンさえあれば今日から始められます」というづんさんの家計簿。基本のつけ方を教わりました。

(1)ルーズリーフに線を引く

ルーズリーフに線を引く

「づんの家計簿」の基本になるのは「月間収支表」。「ルーズリーフを見開きで使い、左ページは上下に2分割。左ページの下半分と右ページは縦に4分割します」。

(2)固定費と出費予定を書く

固定費と出費予定を書く

左ページの左上に、まず固定費と今月の予定を書きます。「家賃やローンなどの固定費のうち、光熱費や携帯代など金額の決まっていないものは項目だけ書き、金額欄はあけたままでもOK」。
固定費の右には今月の出費予定を書き出します。お金の使い道は毎月変わりますが、月初にだいたいの出費を把握することで、残りいくらくらいでやりくりをすべきかを意識できます。

ここでは枠をつくるために茶色のふせんを使っています。色とりどりのふせんを使うのは、その部分をわかりやすく目立たせるのでおすすめ。見た目もカラフルでかわいくなります。もちろんふせんを使わず、ルーズリーフにそのまま書いてしまってもOKです。

(3)日々の支出を書き、上書き合計をしていく

日々の支出を書き、上書き合計をしていく

買い物をしたら、縦に4分割したスペースに、日づけ、店名、買った品物、金額を書いていきます。基本的にはレシートを丸写しですが、レシートのない買い物なら、忘れないように携帯電話などにメモをしておきましょう。日々の支出額は、上書き合計して右下に赤字で書き出していきます。総出費を把握できるので、自然と気持ちの引き締めに。左下には財布の残金を書いておきます(緑の文字)。

ここでは買い物の内容を把握するために詳細を記入しています。でも、家庭によって「気になる支出」は異なるもの。たとえば被服費や食費など、「どうしてこんなにかかっているのか」「どうすればこの支出を抑えられるのか」といった気になる項目だけ詳細を記入してもOKです。その項目以外は合計額だけ書いておけば支出の総合計がわかります。この柔軟さも、スペースが自由に設定できるづんの家計簿ならではです。

(4)続けるのが大事。日記がわりにもなる

続けるのが大事。日記がわりにもなる

買い物の量が増えたら右ページも使い、さらにたりなければルーズリーフをたしていくだけ。毎日記録し続けるとこんな家計簿ができあがります。ちょっとした出来事やその日の気持ちなども書いておくと、日記がわりにも。

づんさんの新著

『みんなの「づんの家計簿」』

(宝島社刊)では、「づんの家計簿」の魅力や続けるコツなどをたっぷりと紹介しています。気になる人は、こちらもチェックしてみると、家計簿の楽しさがもっとわかるかもしれません。