大切な人と食事をするときは、マナーや所作には特に注意したいもの。魚の食べ方でひとつで、相手に様々な印象を与えてしまうこともあります。今回は食べ方で定番中の定番、焼き魚について、食の総合コンサルタント・小倉朋子さんにお話を伺ってみました

お皿の上を散らかして食べるのは厳禁!

1.まず、中骨に沿って切り目を入れる。

まず、中骨に沿って切り目を入れる
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 エラから尻尾に向かって、中骨に沿って箸で切り目を入れていきます。中骨をはさんだ上下で、魚の身を2等分する気持ちで。

2.上身の上半分から食べる

上身の上半分から食べる

 上下に割った上身の、上半分の頭の方から食べ始めます。右に向かって食べ進め、尾まできたら下半分の頭の方に戻って同様に。

3.上身を食べ終えたら頭ごと中骨を外す

上身を食べ終えたら頭ごと中骨を外す

 尾を箸でつまんでゆっくり持ち上げ、頭に向かって中骨を外していきます。頭も一緒に外し、最後に骨を皿の奥にそっと置いて。

4.下身の上半分から下半分へ

下身の上半分から下半分へ

 中骨を外したあとに残っている線の、上半分の左上から食べていきます。上身と同様に右方向に食べ進めて、下半分の最後まで。

●きれいな食べ方のコツ◯

 焼き魚は、完食後に頭、骨、尻尾がつながった状態で残るように心がけます。頭と骨を切り離す食べ方もありますが、小倉流は食べ物に敬意を払うためそのままで。

▲やってはいけないこと×

 途中で魚を裏返して食べるのはタブー。しょうゆは魚に直接ではなく、添えてある大根おろしにかけましょう。

【小倉朋子さん】

食の総合コンサルタント。諸外国の食事マナーや文化を伝える『食輝塾』を主宰。作法や伝統色、食育、端文化、トレンドなど多様な視点で、あらゆる「食」を提案。近著に『

私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない

』(文響社刊)、『

世界一美しい食べ方のマナー

』(高橋書店刊)ほか