しかし肌は面積が広い分、人に与える印象を大きく左右します。「ずっと同じアイテムを使って、同じメイク方法をしている」という人は要注意。ベースメイクこそ、流行や年齢に合わせてアップデートした方がいいのです。
それでは、どうすれば若々しく透明感のある肌づくりができるのでしょうか? ヘア&メイクアップアーティスト・加藤聖子さんは、「じつは全然難しくありません。3つの手の動きと“ダイヤモンドゾーン”を意識することだけなんです」と言います。
「Mさんの普段のメイクを見ると、本当はもっと透明感があるはずなのに…と感じてしまいます。それは、ほうれい線あたりのくすみがカバーできてないから。下地でくすみをクリアにすれば、明るさと透明感のある肌に仕上げられるんです」(加藤さん)
下地もファンデーションも同じ動きでOK。“くるくる→ととと→さささっ”の3ステップ
「リキッドは厚塗りになる印象だったのに、透明感があって自然! あか抜けた感じですね(笑)」と、Mさんも感激したベースメイク術を、加藤さんに詳しく教えてもらいました。基本は、“くるくる→ととと→さささっ”の3ステップ。下地もファンデも同じ動きでOKです。
今のベースメイクの流行は、素肌っぽさを残した“ヌケ感メイク”。肌のあらを隠しすぎると古臭い印象になり、若々しさが失われてしまいます。ソバカスや小さなシミは少しくらい感じられてもOK、くらいの気持ちで。
じつは、自分が鏡を見て気になる肌のあらと、他人が気になるところは違うもの。人の目は頬を中心とした“ダイヤモンドゾーン”さえキレイなら、“美肌”という印象をもちます。とにかくここだけキレイに仕上げれば大丈夫。
30代以降の肌は年齢を重ねるにつれてくすみ、とくに黄味に転びがちで血色感がたりません。そこで、イキイキとした赤みと透明感をプラスしてくれる優秀なピンク系下地を選べば、内側から輝く肌に。ダイヤモンドゾーンには指3本分と多めに、あご先と鼻には少なめの指1本分を置き、3ステップ動作(次にご紹介する、ファンデーションの塗り方を参照)。肌の透明感がグンとアップします。

ファンデーションは、よく言われているように内側から外側へのばすように塗ってしまうと、じつはいちばんカバーしたい目の下のくぼんだ部分が薄くなりがち。頬のエリアだけは丁寧にと意識し、乳液やクリームをつけるときのように頬の内側から外側へ、“くるくる”と円を描くように塗って。
“くるくる”だけだと、ファンデの筋ムラが残ってしまうので、全体に塗ったら“ととと”となじませます。ここで大切なのは、のばさず“たたき込む”こと。人さし指、中指、薬指の3本の指の第二関節までを使って。額とあご、鼻先にも同じ動きをします。
ファンデの密着度を高めて崩れにくくし、素肌っぽい透明感のある仕上がりにするために、最後に“さささっ”とフェイスラインに軽くなじませます。目尻からあご先に引いたラインから外側にあるフェイスライン部分を、指全体を使って内から外へとのばして。

●教えてくれた人
【加藤聖子さん】
美容師として活動後、ヘア&メイクアップアーティストに転身。雑誌や広告、CM、ファッションショーなど幅広い分野で活躍。気さくな人柄と豊富な経験に基づく的確なアドバイスで、著名人からの信頼も厚い
<撮影/内山功史、山田耕司 取材・文/ESSE編集部>